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2014年02月

宣伝できないサンドイッチ


2月の上旬から販売しているものの、ちょっと困っているサンドイッチ。

犬鳴ポークのヘレカツサンド

犬鳴ポークのヘレカツサンド(ハムタマゴ入り)
仕上がり時間は10時頃です。

大阪のブランド豚、犬鳴ポークのヘレ肉を使ったカツサンドです。
このヘレ肉、柔らかく甘みがあって美味しいのですが、何が困っているかというと希少すぎて量が入らないんです。

犬鳴ポーク自体、生産している農場が1軒しかなく、扱っているお肉屋さんが少ない上、お肉屋さんに入る量がごくわずか。。。
いつもお肉類を仕入れている高師浜の荒木精肉店さんが、その希少なヘレ肉を全部まわしてくれるのですが、それでも毎日お出しすることができないので、金曜日と土曜日にだけ出すことにしました。

すでにリピーターも多く、食べてみたいなっと思われた方、ご予約くださいっ!

宣伝したくてもできない、スタッフすら買えないカツサンド。
もしかして、これって宣伝?




パン屋を2年やって分かったこと。


気が付けばこのブログを始めてからもう5年も経ちました。

久しぶりにブログのアクセス数を調べてみたら、ブログを始めてからのアクセス数がなんと152万アクセスにもなってました@@
見に来られた方はのべ67万人!
自分でもびっくり!本当にありがとうございます。

こんな大勢の方に見られているのかと思うと、うかつなことは書けないですね(汗;

と言いつつ、2年経ったので恒例の〇年やって分かったことシリーズ、その4回目。
今回は赤字を出してしまった笑えない話。パン屋の経営を赤裸々に語ります。


■材料費高騰
何と言ってもこの1年はこれに尽きます。
小麦粉、卵、牛乳、ドライフルーツ、ナッツ類、電気料金、包装材料、何から何まで値上げ。パン屋にとってほんと痛い!
春にはイースト、油脂類(バター、ショートニングなど)の値段も上がるそうです。

業者さんが「すみませーん、加藤さん」と申し訳なさそうに、何やら手に紙を持ってお店に入ってくる時は、決まって値上げの知らせなんです。
空気で分かるので、いつも「その紙いりません」とは言うんですけどね・・・

昨年の6月頃に本格的な材料費値上げが始まった時「パンの値上げはしません」と宣言し、ずっとパンの価格を据え置いて頑張ってきたのですが、予想していた以上に現実は厳しかったです。


■初めての赤字
センセーショナルなタイトルですが、昨年の6月と8月に赤字を出してしまいました。
前年と比べるとお客様の数も売上も増えているんです、なのに赤字。
最初は赤字の原因が分かりませんでした。

材料費の高騰もありますが、そのことが直接の原因ではなく、
実は、パン屋には夕方対策という難しい問題があるんです。

例えばこんなケース
「夕方、とあるパン屋さんに行った。でもほとんど売り切れていて少ししかパンが残ってなかった。
買いたかったパンはなく、仕方なく他の店に行った。」
というような経験ありませんか。

夕方対策とは、お客様をガッカリさせないように、お店にとっても機会損失しないように夕方以降にお越しになるお客様のために追加でパンを焼くことなんです。

この夕方対策、やっているお店はそんなに多くないと思います。
多くのパン屋さんは午前中にその日販売するパンを全部焼いて、昼過ぎには職人さんの仕事は終わっていたりしますが、Breadioの場合は焼き立てを提供するために夕方まで焼き続けていて、人気のクリームパンなどは売れ行きを見ながら1日に2・3回追加で焼いています。

2年目。何をしたかというと、夕方お越しになるお客様に喜んでもらおうと思って、追加で焼く量を増やしたんです。

売り切れてしまうと夕方対策にならないので、売れ残るくらいの量をわざと焼きます。
しかし「程よい量」を予測して焼くのは至難の業。

売れ残ったパンは処分します。(私の場合は持って帰ると家族が喜んで食べますが・・・)
処分したパンにも材料費がかかっています。
処分するパンを作って販売するためにスタッフが必要なので人件費もかかります。
処分する量が増えると材料費や人件費の比率が上がり経営を圧迫します。

夕方対策はお客様の満足度向上やお店の機会損失を防ぐためのものとはいえ、そのためにコストをかけてわざと処分するパンを作るなんて、なんとももったいない話です。

タイトルの「赤字」ですが、
昨年の6月と8月、夕方対策で焼く量をさらに増やしたら、その月が赤字になってしまいました(涙

最初は原因が分かりませんでした。
「原価率が上がってる、人件費も上がってる」ってことはすぐに分かりますが、上がってる原因って案外気付かなくて、お客様が増えているのに「梅雨だし」とか「夏だし」とか「材料費が高騰してるし」とかで片づけようとしたり、「売上が足りないんだ、もっと作らなくちゃ!」とか的外れな行動ばかりして、夕方対策が本当の原因だと分かったのは数か月経ってからでした。

本当の原因に気付いて追加で焼く量や夕方の来客数予測を見直したところ、なんとか経営は改善して処分する量も減らすことができました。

できるだけ完売閉店にならないようにしたいのですが、お客様の満足度と経営のバランスって難しいです。
商売って本当に難しいなって実感した1年でした。

今となっては苦い失敗ですが、でもこの経験はきっと次に活かせると思うし、いい勉強をしたと今は思えます。
なにより失敗を乗り越えることができたのは、今年一番の成長だと思ってます。


■失敗ばかりでもない
赤字を出しても何とかやりくりできたのは幸いでしたが、
考えてみれば、イートインやカフェもなく、営業にも出ず、通販もせず、パンの店頭販売のみで続けていられるのはとても幸せなことだと思います。

パンを求めてお客様がお越しくださる、それだけで成り立っているわけですから、パン屋としてこんなに誇れることはないと思うし、少しだけ認められてきたのかなと思うと嬉しくなります。

3年目。
まだまだ失敗すると思いますが、失敗できる体力があるうちにコツコツいろんなことにチャレンジしておきたいと思います。






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